LD&Kが「小売店へ流通しない」レーベル契約形態を開始

LD&K がレーベル契約形態の新基準を発表

2018 年 LD&K ステートメント

LD&Kはレーベル&音楽プロダクションとして1995年11月30日に設立して以来、23年目に突入しました。

メジャーレーベルと契約したアーティスト、今もインディーズで活動するアーティスト。
延べ約850タイトル、およそ300組近いアーティストたちと関わり、リハーサル&レコーディングスタジオ、流通・通販、宣伝、ライブハウス、イベント制作、マーチャン、音楽出版、著作権管理、資金調達のためのクラウドファンディングプラットフォームなど、ミニマムながらも音楽に関わるインフラをすべて自前で作ってきました。

そして迎える2018年。
LD&Kの理念である「For Artist(アーティストのため)」に一つのステートメントを掲げます。

それは

「音源リリースの契約形態はアーティスト自身が「選ぶ」時代へ」

というものです。

SNSやストリーミング配信が普及し、アーティストが自らの音源やリリース情報を発信できる今だからこそ「アーティストのために必要なこと」。

それは、置かれた立ち位置や目標に応じて、自らが選択した音源リリースの契約形態で「アーティスト活動の原資」を最大化してもらうということ。
それこそがアーティストが音楽と向き合える一助になると
考えています。

これをきっかけに素晴らしい音楽が、そこかしこに鳴り、全国のアーティストたちから、音楽業界が活性化するきっかけになることを願います。


1.メジャーレーベルとの契約と音源パッケージ収益について

SNS普及前の1990~2000年代前半は、アーティストの知名度を上げるため、「メジャーレーベルとの契約=メジャーデビュー」を目標にしていた時代でした。
メジャーレーベルのもつヒットへのノウハウ・経験則や多額の広告宣伝費などをきっかけに、一気に知名度があがり、
ライブ動員などが飛躍的にアップするというメリットがあります。一方、非常に狭き門のため、誰もができるような方法ではありません。

ちなみに、メジャーレーベルとの契約における、CDパッケージの一般的な収益構造は下記の円グラフの通りです。

3,000円(税別)のCDアルバムの場合、アーティストの取分は【1%=30円】という契約が最も一般的でした。現在でもこの契約条件が継続されているケースが多々あります。
またアーティストがセルフマネジメントを行う場合、プロダクションの規模やメジャーレーベルとプロダクションとの関係値により、原盤制作費を折半した共同原盤として、原盤印税という形にするなども形態も存在します。その場合はマックス【7~9%=210円~270円】が取分です。(※注1)

2016年度の1タイトル当たりの平均生産数は607枚(※注2)という統計もあり、仮に5,000枚とした場合でも
ミニマム【15万円】、マックスでも【105~135万円】が現在のメジャーレーベルと契約した場合の音源パッケージ収益となります。

(音楽主義(発行:一般社団法人 日本音楽制作者連盟)より抜粋/
引用元:http://www.ongakusyugi.net/special/201604000264e732c )
(※注1)作詞・作曲者がアーティスト自身の場合は著作権管理団体から別途作詞者1.5%、作曲者1.5%が発生します
(※注2)2016年度レコード協会生産実績よりデータを抜粋・引用
http://www.riaj.or.jp/f/data/index.html
・CDアルバム生産数:84,511,000枚
・CDアルバムタイトル数(新譜数10,900+カタログ数128,400):計139,300タイトル
1タイトル平均:607枚


2.LD&K とのレーベル契約と音源パッケージの収益について

3,000円(税別)のCDアルバムの場合、
アーティストの取分は【5~8%=150~240円】で契約しています。
また原盤制作費をアーティストと折半した共同原盤として、原盤印税という形にするなどの形態も存在します。
その場合はマックス【11~15.5%=330円~465円】が取分です。(※注1)

仮に5,000枚とした場合でも
ミニマムでもメジャーレーベルの5倍にあたる【75万円】、マックスでも【165~232.5万円】がLD&Kと契約した場合の音源パッケージ収益となります。
上記でもメジャーレーベル同様に店頭展開費・パッケージ製造費・宣伝費などを手間やコストを引き受けます。


3.LD&K が提案する新しい音源パッケージの流通について

CD不況の影響で、CD販売店は減少を続け、それと同時に店舗展開の獲得競争も激化しており、誰しもが大きな店頭展開が確保できない時代に突入しています。
ちなみにレコードショップの展開は店頭展開費として費用が発生するのですが、そちらの金額も競争に伴い、非常に高価なものになってきています。
また2010年以降の動画投稿サイトやSNS発信でファンを獲得できるようになり、通販・物流インフラも急速な発展を遂げています。
それを受け、今回上記1.2以外で「小売店への流通をしない」という新たな選択肢を提案します。

多くのアーティストが賛同してくれることを前提として、スケールメリットを出すことで
通販ページ作成および発送・保管手数料 20~30%(※)にて通販ページを立ち上げます。

・商品価格・商品名などの最低限の素材のみいただき、通販ページ制作は弊社にて行います。
・多様なユーザーに合わせた代金引換・コンビニ・クレジット決済を用意します。
・5,000円以上お買い上げで送料無料を採用しており、対バンアーティストとのまとめ買いが可能になります
・保管場所が足りない状況や発送の手間が省けます。
※売値・形態により変動します。
※デザインおよび製造コストや在庫リスクはすべてアーティストが自己責任となります
※決済手数料は別途5%申し受けます。


4.LD&Kと小売店流通しないというレーベル契約をする場合

上記2.3との組み合わせにより、小売店への流通コストを削減できることから、
アーティストの取分を【15~23%】にすることが実現可能になります。

また原盤制作費をアーティストと折半した共同原盤とした場合は、マックス【21~30.5%】までにすることが可能になります。

■アーティストが音楽に向き合えるように、ご協力ください。

もしこのステートメント少しでも共感していただけましたら、FacebookやTwitterでシェアしていただけると本当に嬉しいです。
温かい目でぜひ見守っていただけましたら幸いです。
ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございました。